ロシアのウクライナ侵略から、平和について考える

沖縄ジャーナル

ロシアのウクライナ侵略から、平和について考える

皆さんは、ウクライナは早く降伏すればいいのに、と思われますか?
→ ウクライナが降伏しないのは、ロシアの恐ろしさを知っているからです

いろいろなニュースからいくつかを紹介すると

・隣人が家の外に出たらいきなり銃撃され、射殺された。
・住居にロシア兵が入ってきて、部屋のものを略奪。若い女性は強姦。抵抗すれば射殺。(ロシア兵の家族が前線のロシア兵にウクライナの女性を強姦してこいと扇動するケースも)
・ロシアは約束を守らず、ウソばかりで、避難経路を設けたと国際社会にアピールしながら、実際は避難を妨害し、避難に関係なく攻撃をやめない。
 避難民を乗せたバスがロシア兵に停車を命じられ、運転手が射殺された例も。
・軍事基地だけの攻撃といいながら、病院や学校も破壊。多くの子供達が避難している劇場も爆撃。北部のブチャなど、東部やキーウとは関係ない町や村のいくつかを徹底して破壊。多くの住民を射殺。
・携帯を取りあげ中味をチェックし、ロシア兵の動きを発信していたら射殺。
・ロシアを取るか、ウクライナを取るか、ウクライナに忠誠を誓う住民は、見せしめのためにその場で銃殺。ロシアに忠誠を誓う男性は、忠誠の証としてウクライナ軍が敷設した地雷原を先頭に立たせて歩かせたケースも。
・ロシア領に避難させられた住民は、シベリアに移送され強制労働させられる。
・ロシアに避難した子供たちは、ロシア語とロシアの文化・歴史の授業を受けさせられる。

ロシア軍の空爆を受けたウクライナマリウポリの産科病院

ロシアの目的は、ロシア系住民が多数住むドンバス地域をロシアに併合することだけではありません。彼らは、ウクライナ国家を解体し、ロシアの文化・歴史・ロシア語を身に着け、ロシアに忠誠を誓うウクライナにすることで、ロシアに忠誠を誓わない、ロシアに反抗するウクライナ人をウクライナの領土から抹殺することです。中国がチベットやウイグルでやったことと同じように。

皆さんは、自由と奴隷、どちらを選びますか?
降伏とは、生存の自由さえない奴隷となることです

もし、皆さんが今のウクライナとおなじような立場になったら、どうしますか。自由の為に闘いますか、戦う軍人を支持し、支援しますか、それとも奴隷の平和を望み、降伏しますか?

奴隷になるとは、何を意味するかおわかりでしょうか?

奴隷となると、家も財産も没収され、乞食同様の境遇で強制労働に従事させられることになりますが、それだけならまだしも、奴隷には生存の自由も権利もありません。日本語を使うなと言ったのに使ったとか、今日のお前の態度は気に食わないということだけで射殺されたりされます。皆さんに姉や妹、娘さんがいたとして、性奴隷に連れ去られようとした時、黙って差し出しますか。

先の大戦における米国を中心とする連合国への降伏とは違います。

連合国の中心は、アメリカでした。
米国は、過酷な占領政策を実施しましたが、米国は民主主義国家でした。「戦犯」以外の軍人も一般国民も生存の自由は保障されました。

一部跳ね上がりの米兵が犯罪をおこした例もありますが、占領軍の方針として組織的に殺戮を奨励したわけではありません。

しかし、ロシアも中国も、独裁国家で、普通の民主主義国家ではありません。そこに問題があるのです。これらの国では、反政府の言論は弾圧され、指導者は逮捕され、暗殺されたりすることが当たり前の国です。

プーチン大統領は、ウクライナの非ナチ化、ナチスと闘っていると公言して憚りませんが、現代におけるヒトラーは、プーチンであり、習近平であり、金正恩です。彼らは、ユダヤ人を組織的に虐殺したヒトラー同様、ジェノサイド(民族、住民などある集団を全て抹殺)も躊躇なく実行します。

ロシアによるウクライナ侵略に際し、沖縄では、マスコミ中心に旧態依然の宣伝がなされています。皆さんはどう思われますか?

路上には隣人や幼なじみの遺体…ブチャの住民「ウクライナ系を選別」2022年4月14日 朝日新聞 

 マスコミが行う旧態依然の宣伝とは

(1)基地があると攻撃を受ける → 米軍基地はいらない

侵略者の目的は、基地攻撃が目的ではありません。例えば資源目当てで領土を奪う、その地域を支配するのが目的ですから基地だけ攻撃されて終わるわけではありません。基地も攻撃されますが、現代においては通信やインフラが大事ですので、NTTなどの通信施設、海底ケーブル、発電所などのインフラ施設もほぼ同時に攻撃されます。むしろ通信施設の破壊が最初かもしれません。ロシアの残虐な攻撃は、基地だけが攻撃の対象ではないことは、病院や学校、劇場、住居などへの攻撃からも明らかでしょう。基地さえなければ、攻撃を受けないなどと思わせる言動は、事実を見ない、歪曲した見方で妄想にすぎないのではないでしょうか。

第一、チベットやウイグルは、重火器など軍事基地と呼べるようなレベルの基地がないにも関わらず中国に侵略され、住民が虐殺され、併呑されてしまいました。チベットでは、僧侶を中心に100万人が虐殺されたといいます。

チベットでは、チベット人同士の結婚は許されず、北京語教育が行われ、中国人化が進められています。ウイグルも同様です。

(2)防衛費増額ではなく、国際社会と連携した外交的努力で解決すべき → ウクライナにかこつけた防衛費増額反対

侵略を決意し、実行に移した独裁者の前に、国際社会も国連も全く機能しないことが明らかになったのも今回のウクライナの悲劇です。

これに対し、トランプ政権時代防衛費増額に慎重だったドイツはじめNATO各国は、防衛費の増額を決めました。中立国であったフィンランドとスウェーデンは、NATOに加盟することも決めました。もはや自国のみで安全保障上の脅威に対しては一国では守れず、世界のどの国も守ってくれない、唯一同盟国のみが守ってくれることを痛感したからです。いくら中立を宣言しても「力」のない中立は、中立をもって国民を守ることができないことも知ったからです。永世中立国のスイスは、武装国家です。国民皆兵で成人になれば軍事訓練を受け、すべての家庭には小銃が保持されています。アルプスの地下には全国民が避難できる核シェルターもあります。そこには多数の武器が貯蔵されています。


勿論、外交努力は必要です。しかし、「力」のない国は、交渉のテーブルにもつけないことを知るべきでしよう。ウクライナには、同盟国がありませんでした。間接的な軍事支援しか受けられません。ゼレンスキー大統領は、NHKの単独インタビューに答えた中で、NATOに加盟しなかったことが失敗だった。NATOに加盟していればこんなことにはならなかったと言っています。反米、米軍憎しのマスコミは、これにどうこたえるのでしょうか。

ところで、我が国周辺には、中国、北朝鮮といった非民主的な独裁国家があります。その中国は、台湾への武力攻撃を示唆しています。台湾有事は、日本の有事に直結します。与那国島は、沖縄本島より台湾に近く、天気がよければ肉眼で台湾を見ることができる島です。台湾有事になれば、先島諸島も巻き込まれると考えるのが自然でしょう。ウクライナの悲劇は、いつ我が国にもおこらないとも限らないのです。

そうならないためには、相手に侵略を思いとどめさせることしかありません。それは、防衛予算を増額しより防衛装備を最先端のものにし充実させることと、日米同盟の強化です。更には、オーストラリアやインドを加えたクワッドの強化です。誰でも「戦争は反対」です。しかし、相手に戦争に踏み切ることをさせないためにこそ、軍備増強は必要なのです。

今この期に及んで、米軍基地の即時全面返還を主張し、米軍基地反対を叫ぶことは、中国がもっとも喜ぶことです。一体、防衛費増額に反対するマスコミは、異常なまでの軍拡をし続け、南シナ海、東シナ海での島々を力ずくで奪い、たちまち軍事基地を作ってしまった中国をどうみているのでしょうか?「中国が沖縄を侵略することはない」などといかなる根拠で断言するのでしょうか。残念ながら現在の世界では、外交努力は当然として、「平和」は「力」によって守り続けるしか道はないのです。

日経新聞 2022年3月23日 日本防衛の実力(上)中国軍事力、日米を逆転へ より転載
(3)沖縄は琉球 → 日本人ではない

もう一つ由々しき問題があります。それは、共同通信社が実施したアンケートで、「うちなーんちゅ」と日本人のどちらを強く意識するかという問いで、実に71%の方が「うちなーんちゅ」と答えています。他県でこんな質問するでしょうか?あなたは関西人と日本人とどちらを強く意識しますかと関西人に聞いたら「関西」と答えるでしょう。当たり前です。なぜこのような質問を共同通信は沖縄にするのでしょうか。これは、沖縄と日本を対比させて選択を強いることによって日本人の意識を希薄化させ、沖縄は日本ではないと暗に思わせることではないでしょうか。皆さんは、沖縄は琉球で日本人ではないとお思いでしょうか?そうお思いなら琉球独立を支持することに直結します。アンケートでは、「琉球独立論」に共感できると答えられた方は実に29%に達しています。この独立論は何を意味するでしょうか。

「琉球独立」は、ロシアがウクライナのドンバス地域の独立保護を口実にウクライナに侵略に踏み切ったように、琉球独立を願う「琉球民族」を守るため中国は軍隊を派遣したということで中国による沖縄併呑に正当性を与え、侵略を誘発する根拠を国際社会に示すものと言わざるを得ません。いつか、中国が一方的に沖縄を琉球国として独立を認めると宣言するかもしれません。

また、沖縄先住民族説を国連で訴えた翁長雄志全知事が訴えたことにより、国連は沖縄を日本民族とは違う、先住民と認定しました。これも沖縄を支配下に収めたい中国にとって願ってもないことになります。しかし、これは、DNAや言語学からも沖縄は日本であることが明らかにされ、間違った認識なのです。非武装中立、独立など幻想にすぎません。

沖縄の皆さんは、日本人たることよりも、中国の支配下になることを望んでいるのでしょうか。

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