ガマフヤー具志堅隆松氏 国連EMRIPサイドイベントでの発言

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15th session of the Expert Mechanism on the Rights of Indigenous Peoples

・The Militarization of Ryukyu and Human Remains - Gamafuya, Shimin Gaikou Centre
・Date/Time: 6th July, 13:00-14:30 (Geneva)/ 20:00-21:30 (Japan)
・Language: English
【具志堅】
まず沖縄の位置を説明します。
中国大陸の側に日本があります。日本の南の方に沖縄、日本と台湾の間にあるのが、今赤い丸で囲まれているのが沖縄です。

これが沖縄の島ですね。辺野古ってあるんですけれども、そこに大浦ベイ(湾)ってあります。この大浦ベイを、アメリカ軍の基地を作るために埋め立てをしようと、日本政府が計画しています。

その埋め立ての土を、この沖縄の島の南の、糸満・八重瀬という四角で囲まれた、そこから取ろうとしています。けれども、そこにはまだ戦没者の遺骨が数多くあります。

これは、1945年にアメリカ軍が沖縄に上陸した時の、どのように進んで行ったかという進路図です。

沖縄に上陸して北と南に分かれて行くんですけれども、沖縄の戦争の中で一番激しい場所は、この一番南です。そこでは兵隊だけじゃなくて、多くの住民、むしろ住民の方が多いんですけど、たくさんの人がその糸満では亡くなっています。

この糸満には数多くの沖縄の住民であったり、日本兵の遺骨が、まだ埋もれている状態です。

これは沖縄に上陸するときのアメリカ軍の様子ですけれども、本当に数多くのアメリカ軍が上陸して、戦争を展開してきました。

これは地上戦の様子です。このように、もうアメリカ軍は立ったままどんどん進んでいけるぐらい、アメリカ軍の方が優勢でした。

この写真にあるように、沖縄の住民の家は次々と焼き払われていきます。

これは丘の斜面に作られた日本の陣地壕、防空壕に対して、アメリカ軍の戦車が、戦車の火炎放射器を使って壕を攻撃しているところです。

そしてこの写真は、沖縄の住民が降伏してアメリカ軍のところに向かっている様子です。

この写真から言えることは、沖縄戦が始まってまだ早い時期の写真で、この人たちは皆まだ元気そう、それほど疲れているとか、衰弱している様子が写真から感じられないので、早い時期の写真だと思います。子供たち、小さい子供は、沖縄戦の遅い時期になると、こういうふうな元気な状態ではないです。

これも、沖縄の住民が捕虜になって集められている時の写真ですけれども、みんな怯えています。しかし、まだそんなに衰弱はしていないので、沖縄戦が始まって早い時期の写真だと思われます。

そして、この写真の中に子供たち二人が、日本軍の軍服と帽子をかぶっています。
これは当時、沖縄でも子供たちでも日本軍に協力させるために、こういうふうに日本軍の、14歳くらいから日本軍に組み込まれていきました。

これは沖縄戦の犠牲者の数です。これからわかるように、沖縄の住民そして日本兵、それからアメリカ兵、それからイギリス兵、そして朝鮮半島から連れて来られた人たちのこの数は、今わかっているだけで、実際にはあと3500人ぐらいが行方不明状態です。行方不明というのは、この数とは別に、3500人が死んでいるという事を表しています。そして台湾の方もいます。

この中で、アメリカ兵は現在でも220人ぐらいが行方不明状態です。

このアメリカ兵の遺骨も、やはり埋立ての土砂と共に辺野古の海に捨てられる可能性があります。

このことを国会議員が日本政府の外務省に質問したことがありました。
沖縄戦ではアメリカ兵の行方不明者もいるけれど、それが土砂、その遺骨が捨てられる、埋め立てに使われるかもしれない、という認識はありますかと聞いたら、「否定はできません」というふうなことを答えています。

このことは、日本政府の戦没者に対する非人道的な行いが、日本人だけでなく、外国人に対しても、アメリカ兵に対しても同じように行われる可能性があるということです。
私はこの事は、国際的な人道問題だと捉えています。

この写真は、沖縄戦で亡くなった犠牲者の名前を刻銘する石のプレートに、犠牲者の名前を刻銘して刻んであります。そこは平和の礎(いしじ)と呼ばれています。

この考え方は、沖縄独特の考え方かもしれませんけれども、戦争で亡くなった人は、例え敵であっても殺されてしまえば同じ被害者だという考えです。そのために、敵味方区別することなく、名前を刻んであります。

私たちは同じような考えで、この戦没者の骨が埋め立てに使われるということは、敵も味方もなく、これは人道的にやめさせるべきだと思っています。

これは糸満の海の近くの林の中で収容された遺骨です。
見てわかりますように、もう本当に細かくなり始め、小さくなり始めています。これは時間が経ちすぎて、骨がもうボロボロになろうとしている状態です。

私が遺骨収集をしていても、もう小さい骨というのは粉に近いです。米粒の半分ぐらいとか、もっと小さいようなものがもう土に混ざってしまって、あまり細かすぎてそれを収容すること、取ることすらできない、そういう小さい遺骨もあります。
特にこの写真の左下あたりは、そういう感じがわかると思います。

このように細かい遺骨を収容することは無理ですけれども、この採石業者、その埋め立て用の土砂を採る業者の中には、大きい骨を収容すれば底の土は使ってもいいんじゃないかという意見もありますが、こういう細かい骨が混ざった状態では、細かい骨は取ることができないので海に捨てられてしまいます。

私が今言っていることは、これは国に対して言っている事、沖縄県に対して言っている事は、大きい骨は収容してDNA鑑定を行って遺族に返し、収容できないような粉に近いような遺骨は、現場に安置する、丁寧に置いておくということで、その場所を神聖な場所として、犠牲者の事を考え平和を考える神聖なる場所、霊域として残すべきだと思っています。

こういう遺骨が残っている場所というのは、ほとんど現在、国定戦跡公園と言われている場所です。

この国定戦跡公園というのは、先ほど私が言ったように、そこは神聖な場所というふうな神聖な、戦没者が多くが眠っている、神聖な場所という意味の公園なんですが、そういう公園ですら今は開発されようとしています。これは辺野古の埋め立てのために開発されようとしています。

私たちはそういう場所を開発させないように、そこから埋め立ての土砂を取るようなことをしないでくださいという運動をしています。

しかし一番の問題は、この採石業者に開発をさせないというよりも、辺野古の埋め立てにその戦没者が眠っている場所から土を取るっていう、そういう計画を立てた国にあることはハッキリしています。

ですから一番大事なことは、国にこの戦没者の遺骨がある地域から土砂を取る、あるいは沖縄から土砂を取るということを、そういう計画を諦めさせることだと思います。そういう場所から土砂を取るというのは、戦没者を冒涜することにほかなりません。これは人道上にも許されることではありません。

これは最近収容された遺骨ですけれども、私たちも今みんなに言ってることは、できるだけ一体一体、他の骨が混ざらないような掘り方をしましょうというふうな事をやっています。それはDNA鑑定をやって返す時に他の人の骨が混ざらないような状態で返せるような、そういう掘り方をして遺族に返す、そういうふうな事を遺骨収集をする時は、みんなが気をつけましょうってそういうことを言っていますけども、これには専門性も要求されます。ですから例えば、遺骨が見つかったからといって、採石業者が開発してる途中に遺骨が見つかったからといって、むやみに収容しても、例えばそれが二人分なり三人分が混ざってしまうこともあります。

遺骨が見つかる場所として、よくガマというのが自然洞窟のことですけども、そのガマの中で見つかることは多いです。しかし採石業者が石を採るため、埋め立ての土砂を採るため、建設機械のユンボという重機でもって岩を崩しながら採っていくと、その下にガマがあることがわからないまま、ガマの中にどんどん石が落ちていって、そこに遺骨があることすらわからずに、土砂と一緒に遺骨も収容されてしまいます。そういうことを考えるときに、やはりまずこの日本政府の計画を止めることが私は大事だと思っています。

これも私がガマの中で掘り出している遺骨の様子ですけれども、ガマの中できれいな状態で残っている時と、ガマの中に手りゅう弾を幾つも入れられて骨がバラバラになっているような状態もあります。この場所ではアメリカ軍の手榴弾のレバーが幾つも出てきてました。中に居た人は、全部手榴弾によって骨がバラバラになった状態だと思われます。

この遺骨になっている人は、私たちがきれいな状態、とても丁寧な掘り方をして掘り出した状態です。遺骨を動かさないで、遺骨の周りの土を、金串などを使って土を細かく掘って、ブラシで土をどかして、骨が浮かび上がるような掘り方をして掘りました。考古学でやるようなやり方です。

そうすると、その犠牲者がどういう状態で亡くなったのか、うつ伏せなのか仰向けなのか、手足は全部そろっているのか、そういう事が分かります。この人は、小さい縦穴の中で亡くなっているんですけれども、倒れることができないので座ったような状態になっています。そして、首は前にうなだれて、鉄兜が前に落ちている状態です。

そばに座ってるのは私ですけれども、こういう格好ですよねっていうことで、同じようなポーズを取っています。

これはガマの中で発掘する時の様子ですけれども、これは埋もれている土の下に金属反応があるかどうか、地面の下に金属があるかどうかをセンサーを使って調べています。

基本的には自然な状態では、ガマの下に金属があることはありません。しかし戦争中その場所が使われていれば、金属が残っている可能性があります。そのために私たちはこのセンサーを使って金属反応がある場所を掘り始めると、金属も出ますけれど遺骨も出てきます。

これも糸満で見つかった遺骨の写真です。
これはガマの中の水が流れる場所に残っていた遺骨です。

これはやはりガマの中で4人の方が亡くなっている時の写真です。

これは、辺野古の埋め立てに使う土砂を、どこからどれぐらい採れるかというふうな資料ですけれども、見て判りますように、このサウス、糸満・八重瀬という所から全体の7割くらいを採ろうという計画をしてます。これは非常に、戦没者の遺骨にとっては非常に残酷な話です。

これは宮城島という小さい離島(編注:うるま市。海中道路の先)で、その開発が、採石が始まっている様子です。このように美しい自然がどんどん破壊されていきます。

これもやはり採石場で、石が採られている。本当に深く掘り込まれて採っています。

この写真にもありますけども、この写真の中央の左側の土が見えている部分は、新しく採石場になろうとしている所を、私たちが今、そこを採石場にしないで下さいということで止まっている状況の写真です。

この写真の土がむき出しになっている場所は、このすぐ側の緑が濃い所と同じように、緑の濃いジャングルでした。

そこからは実際に遺骨が見つかっていたので、私たちはそこをどうにか止めたいと思っていました。

この場所は現在立入禁止で、私たちが立ち入ることができません。しかし周りにも遺骨があるのではないかと思って調べてみると、すぐそばのジャングルの中からも見つかっています。

先ほど写真で、遺骨が一杯見つかっている写真がありましたけども、その遺骨はこの場所の右側の海岸近くのジャングルの中から見つかっています。

私はこの、国による、日本政府による、遺骨がある場所からの土砂で埋め立てをするという、そういう非人道的なことを、これは絶対許してはいけないと思って日本政府に要求しました。しかし日本政府は、全くその事に応えることはしません。それで私は、この事を多くの人に訴えるためにハンガーストライキを行いました。これは去年の3月に沖縄県の県庁の前で6日間のハンガーストライキを行った時の写真です。

私たちがここでストライキをやっている間、色々な人が激励のため訪ねてきました。

そしてこの私の元を訪ねて来た沢山の遺族の方が、遺骨が戻っていない、多分南部にあるはずだというふうなことを仰ってました。

このことは、沖縄の遺族だけじゃなくて、本土にいる遺族からも同じような声が私のもとに次々と届きました。本土にいる遺族というのは日本兵の遺族です。

そして同じようにアメリカにも遺族がいるはずです。その遺族はアメリカ兵の遺族です。

私はどうにかして、アメリカ兵のご遺族にもこの事を伝えたいと思っています。

そして私は、アメリカ政府からも日本政府に対して、埋め立ての計画を撤回する事を申し入れるべきだと思っています。

この、今の私の中継を見ている方は、どうかその事に協力して欲しいと思っています。

私はこの問題を、沖縄の人だけではなく本土の人にも伝えるべきだと思って、東京に行きました。

これは日本の戦没者が祀られている靖国神社の入り口のところで、私たちはハンガーストライキを行いました。

私たちがやっている間にも、日本政府の重要な人たちが、この靖国神社には礼拝に行きます。

日本の首相をはじめ政府の要人は、靖国神社へ行くと戦没者、戦争で亡くなった人の魂が安らかであるようにというふうにお祈りしますけども、しかし口ではそう言いながら、やっていることは戦没者の遺骨を海に捨てようとしていることです。私はこの矛盾がとても不思議でたまりません。

私は辺野古の基地の建設に、賛成とか反対とかということ、そういうことではないです。ただ、戦没者の尊厳を守って欲しいだけなんです。

ですから、たとえ辺野古の基地に賛成の人でも、アメリカ政府でも、この問題には関係して欲しいと思っています。止めるように働いて欲しいと思っています。

これが埋め立てされようとしている辺野古ベイの様子です。非常にきれいな海です。ジュゴンが棲んでいる海です。

沖縄では、この辺野古の海の埋め立てについて住民投票が行われました。そうしたらば約70%の人が反対をしました。

しかし日本政府はそのことを全く考慮する様子はありません。私たち沖縄の人間は、辺野古の埋め立てに反対なんだという声をいくらあげても、全く聞いてもらえません。

アメリカ政府が、アメリカ国民の若い兵士の戦没者を救うことは、美しい海を救うことにもつながります。どうか両方助けてください。

はい、私の写真を使っての話は、大体こういうものです。
あとは質問を受け付けたいと思います。

【永井(英語)】
大変素晴らしいご発表ありがとうございました。質問とコメントを会場の方から受け付けする前に、松島先生からのコメントをまずお伺いしたいと思います。

【松島】
具志堅さん、どうもありがとうございました。具志堅さんの辺野古の海の埋め立てを止めたい、特にですね、人間の遺骨が混じった土砂を材料として、埋め立てで使うって非人道的なことを日本政府がやっているというので、何とか止めたいという意思を受けて、国連に一緒に行こうというふうに提言させていただきました。

辺野古の海の埋め立てを止める方法はあります。それは、先住民族の権利に関する国連宣言という国際法に基づいて、特に30条をですね。つまりそれは先住民族が住んでいる地域において合意なく軍事活動、これは辺野古の海の埋め立ても含みますけども、それはやってはいけないということが明記されております。それを使うわけです。

我々琉球民族は先住民族であるというふうに、具志堅さんも私も更にここに来て確信したわけであります。なぜならば、会場に来ている他の先住民族と同様な、歴史や文化や植民地支配の経験をしているからで、自分自身が先住民族だと思っている、考えているということなんですね。

この法律、国際法に関しては、法的拘束力がないという批判もありますが、しかし今回会議場には政府関係者も来ておりました。その中でもスウェーデン、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの政府はこの法律、さっき言った国際法に基づいて、先住民の国際法に基づいて各種の政策を作っているわけなんですね。

で、この法律、国際法を無視しようとしているのは、本当に世界の中では少ないわけです。それを無視しようとしているのが、今回明らかになったのが、ロシア政府と日本政府です。

昨日の国連でのセッションの午前中の会合で、ロシアの先住民族の女性が環境問題について政府を批判する発言をしました。そうしますと、後ろからロシア政府の代表者が来て、何か脅すような形で威圧的な形で迫ったんですね。それに対して他の先住民族がロシアの少女の近くに寄ってきて支えるという場面がありました。

同様な経験を、昨日の午後のセッションで我々も受けました。日本政府の代表が発言したわけですが、その発言する前にこの琉球においてPFOS、有機フッ素化合物が米軍基地から流れ出て環境問題が発生しているということを、琉球の出身の女性、少女が訴えた。

後に日本政府の発言がありました。

日本政府はこのように言いました。日本において日本政府が認めている先住民族はアイヌしかいない。琉球人は、沖縄県民は、これは日本人である。先住民族でないというふうに日本政府は言いました。それから先ほどのPFOS問題に対して、日本政府は適切に対応していると言いました。

日本政府は1879年、琉球を併合侵略してですね、そういった政府があなたたちを先住民族であるかないかという決める権利はないわけなんですね。そういった当然のことなんですけども、日本政府はそれを無視して、我々は日本人であるというふうに、我々のアイデンティまで無視するという人権侵害を国連の場でしたわけですね。

その後、日本政府が発言した後、我々琉球から来た4名が、琉球出身の4名また琉球から来た4名が日本政府、日本の国連代表部の職員の近くに行って、その具体的な理由ですね、PFOS問題についてどのような手続き、適切な対応をしているのかとか、何を基準にして琉球人を先住民族と認めないのかと聞いたんですけれども、全く答えない。本省に聞かないとわからない形で、彼らは会場から逃げました。

地球上で、先住民が住んでいる地域で、辺野古のように大々的に軍事基地を作っている所は無いですね。つまり日本政府はですね、琉球人が先住民族であっては困るわけです。そういうことでこういった発言を何回か繰り返しているんですね。

そこで具志堅さんに一つ質問がありますけれども、日本政府の代表部の人が発言した時に具志堅さん大きな声で「これは間違っている」ということを言ったわけですけれども、その時どういう気持ちだったのかをお聞きしたいというのが1点です。

また、先程の具志堅さんの報告を受けて、私自身が今、京都大学の研究者によって盗まれた遺骨の返還運動、訴訟をしているんですけども、日本政府も遺骨を人骨、物としか見ていない、土砂としか見てない。京都大学も琉球人の遺骨を人骨、研究対象、標本としか見ていない。どうも人の遺骨に対して非常に無礼な、侮辱的な扱いをしているという意味で共通した問題だと思いました。

またこれは、このZOOMの会議に参加している日本政府の関係者に対する私の質問なんですけれども、今参加しているようなんですが、昨日ですね、そういった発言をした職員にいろいろ私も聞いたんですけれども、全く答えない。本省に聞いて答えるとおっしゃっていた。で、今ZOOMで参加している日本政府の方はこの問題について、この国連という場において琉球人の人権を侵害するという行為に対して、外務省としてどういうふうに考えるのか、思うのかということを、もし良ければ聞かせてもらいたいと思いますね。


先に具志堅さんの要望も、私も、先に外務省の方をと思うんですけれども、日本政府の関係者の方、ちょっとご発言をお願いしたいと思うんですけども、いかがでしょうか。

ありませんか?どうでしょうか?
ちょっと考えるんでしたら、また後でお願いしたいと思うんですけれども。

では最初に具志堅さんの昨日の発言について。

【具志堅】
沖縄からの女性の、沖縄におけるアメリカ軍の基地から有害な化学物質が漏れ出して、沖縄の水を汚染している。どうやら水道水にも入っているということで、これは非常な問題です。

アメリカにおいては、このPFOS、少ない濃度であっても、ほんの僅かでもこれが混ざってはいけないというふうなのが最近、アメリカ国内で言われました。要するに非常に危険な化学物質だということです。

そのことに対して、女性が心配して声を上げたというのは、私は当然だと思います。そのことに対して日本政府は、何らかの適切な対応をしているかのようなことを言っていましたが、私は沖縄に住んでいます。だから沖縄県がどういうふうな対策をとっていたというのはわかります。しかし、日本政府が何かをやったということは一切聞いていません。

住民の健康調査をしようというのも、住民の間から出てきました。そのことに対して日本政府がやるような様子というのは一切見られません。

それを日本政府が何かこの問題に対して対応をとっているかというのは、私には、何でこういうことが言えるのだろうかって不思議です。

そして、もう一つ大事なことは、沖縄の住民は先住民族ではないというふうなことを言いました。これは国連の場で、みんながいる場で言ったんです。

沖縄の住民が先住民族であるというのは明らかです。私たちは1879年まで琉球王国の国民でした。日本人ではないです。無理やり日本人にされたのです。琉球王国の国王は、日本政府によって東京に連行されていって、帰ってくることはありませんでした。

私たちは日本人では無かったです。そのことを、私たちを先住民ではないと言い切ったんです。みんなの前で国連で。

私はこのことについては反論しようと思っていました。

昨日、私は発言の機会を持っていました。それで、私のところに発言のためのマイクロホンが来たら、沖縄の住民が先住民族でないということ、それから日本政府がこのPFOSについて適切な対応をしているとか、そういうふうなことについて間違っているということを、みんなの前で言わなければいけないと思いました。

しかしその日の会議は発言者が多く、またみんなが長い時間を取ったために、もうその時間内に私のところまでマイクが回ってくることはありませんでした。結果として私は、発言する機会を得られなかったのです。

そういうことでしたので、このままでは日本政府から一方的にみんなに言われたことが、みんなの中に残ります。私たちは、それが間違っているということを表明しないといけないと思いました。日本政府が間違ったことを言ったまま終わられたら、これはとても問題です。

そのため私はマイクロホンがなくても、せめてこのことは言いたいということで、日本政府は間違っているということを大きな声で、それを、そのことだけを言いました。

そしてこの問題については、これから日本政府と話し合わなければいけないと思っています。その時は、私たちと日本政府だけではなく、多くの人の前でこのことを話すべきだと思っています。そして日本政府は、このことを多くの人の前、たくさんの人の前でこのことを説明する責任があります。

これが1つ目の答えです。

2番目の質問にお答えします。

京都大学が沖縄のお墓から遺骨を盗み出して、これは許可を取ったと言いますけれども、遺族の許可を取ってないです。遺族の許可をなしに、お墓から遺骨を持ち出して、その遺骨をいまだに返さない。返してくれと言ったら、これは研究材料であると言って、松島さんが要請に行っても、大学の中にすら入れてくれない。質問にも答えないということを言ってます。

そして、今回の日本政府の対応、このことに共通しているのは、日本政府は琉球人を自国の民族と見ていないということ、自分の国の国民としては見ていないということです。琉球人だから、琉球人の骨は返さなくてもいい、研究材料にしていい。このことは、アイヌに対しても共通していました。

それから京都大学は、琉球人やアイヌ人だけの遺骨じゃなくて、他の地域の、他の国の先住民族の遺骨を持っています。そのことについても説明するべきです。そしてその地域の先住民族が返してくれと言ったらば、それに対して返す責任があります。

私たちは、これから京都大学が持っている遺骨の各国の先住民に、このことを共同で呼びかけるような対応を考えます。

そして沖縄に対する、沖縄が先住民族ではないということを日本政府が言いました。しかし実際には、自分の国民と同じように大切にしなくてもいいというのが根底に流れているのはよくわかります。

例えば、沖縄には米軍基地を押しつけていい、沖縄の人間が辺野古の基地に反対してもそれは聞かないふりをしてもいい。そして沖縄でアメリカ軍による婦女暴行事件、強姦事件が起きても、そこでアメリカ兵を罰するようなことはしなくてもいい。

いろいろな意味で、沖縄の人間を、日本人と同じように大事にしている様子というのは全く見られません。

そのことの延長として、琉球民族が先住民族であるということを認めないというのは、これは琉球民族に先住民族としての権利を持たせたくないというのが十分見え透いています。

しかし私たちはそのことを、私たちには先住民族としての権利があるということを、これからは声高らかに謳い上げます。

日本政府の皆さん、今の私の発言についていかがでしょうか。ぜひお答えください。

応答なし。

日本政府、応答なしということで続けます。

京都大学については、大学という最高学問府を名乗る資格はないと思います。なぜならば、市民からどうしてですかということを聞かれて答えることすらしないという学府はありえないです。少なくとも説明はするべきです。

以上です。
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